今後の建設業法改正内容について解説!

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、「今後の建設業法改正内容」について触れていきたいと思います。

法改正に至る背景について

少子高齢化に伴う全産業的な労働力人口の減少が進む中、建設業においても、限りある人材の有効活用を図りつつ、将来にわたる中長期的な担い手の確保及び育成を図ることが急務となっています。
このような状況を踏まえ、また、本年5月にとりまとめた「技術者制度の見直し方針」及び「規制改革実施計画(令和4年6月7日閣議決定)」を受けて、今般、建設業法施行令(昭和31年政令第273号)について所要の改正を行います。

と国土交通省のHPにありました。

そして、後に述べます「金額要件の見直し」については、近年の工事費の上昇を踏まえ、金額要件の見直しを行うこととなりました。

①金額要件の見直しについて

まずは、下記の金額の要件が見直しになります。

改正内容

現行改正後
特定建設業の許可・
監理技術者の配置・
施工体制台帳の作成
を要する下請代金額の下限
4000万円
(6000万円)
4500万円
(7000万円)
主任技術者及び監理技術者の
専任を要する請負代金額の下限
3500万円
(7000万円)
4000万円
(8000万円)
特定専門工事の下請代金額の上限3500万円4000万円
()内は建築一式工事の場合

となっています。

これを見て、特に多くの建設業者様に関係してくるのは上の2つになるでしょう。

とりわけ、公共工事に関しては上記2つは、発注者である国や自治体もかなり厳しくチェックしていますので、その要件が少し緩和されていることは建設業者様にとってはメリットとなります。

しかしながら、上記法律の施行後には下記のような事例も想定されます。

・監理技術者から主任技術者への途中交代
・専任から非専任への変更等

これらは建設業法の趣旨を鑑み、途中交代等はしない方がいいと私は思います。

これまで、現場を見てきた技術者を途中で変更するとなると当然、それに伴う引継ぎが考えられますが、私も公共工事の現場の監督員をしている最中に一度だけ近い経験をしましたが、やはり現場を引き継ぐというのは本当に大変だと感じました。

現場では、設計段階ではわからなかったようなことが起こりえます。土木工事のような地中にあって、普段見えていないものを施工する時が特にそうです。設計段階でわからなかったことは、それに対応した当の技術者しかわからないので、そういったことも含めて引継ぎができなければ、引継ぎ不足によるミスは当然ながら起こりますし、かなり重大な問題に発展してしまうことも全然ありえます。
※例えば、想定外のライフラインがあった、埋設位置や高さが設計と異なっていた等です。

諸条件を把握するのは本当に大変です。

だからこそ、よっぽどの理由がない限り、単純に現場の技術者を変更すべきではないと考えています。

※「監理技術者制度運用マニュアル」というものがあり、技術者の交代自体、基本的にはできないことになっているため、念のため申し添えておきます。

施行時期について

施行時期については、令和5年1月1日(日)となっています。


②技術検定の見直しについて

改正内容

・技術検定は、一級及び二級並びに検定種目及び検定種別に区分して行うものとし、第一次検定及び第二次検定の受検資格は、技術検定の区分に応じ、国土交通省令で定めるものとすること。(第三十五条関係)

・大学、高等専門学校、高等学校若しくは中等教育学校において施工技術の基礎となる工学に関する知識を修得することができるものとして国土交通大臣が定める学科を修めて卒業した者又は国土交通大臣がこれらの者と同等以上の知識を有するものと認定した者については、申請により、第一次検定の一部で一級及び二級の区分並びに検定種目及び検定種別の区分に応じ国土交通大臣が定めるものを免除するものとすること。(第三十六条関係)

・建設機械施工管理、土木施工管理及び建築施工管理に係る二級の技術検定(建築施工管理に係る二級の技術検定にあつては、第二次検定に限る。)に合格した者が建設業法第二十七条第七項の規定により称号を称するときは、その称する称号にその合格した技術検定に係る検定種別の名称を付するものとすること。(第三十七条第二項関係)

と現段階のお話が国土交通省のHPにアップされていますが、これでは何のことか???となってしまいますよね(笑)

一つ大きな点としましては、第36条の「受験資格」について、改正案では「削除」となっています。

下記をご覧ください。
上段が改正案、下段が現行法です。

そして、国土交通省のHPでは

「技術検定の受検資格は国土交通省令で定めることとし、今後、省令改正により現行の受検資格を見直します。」

とありますので、今後どういった形に改正されていくかが注目です。

※現時点でほぼ確定的なものとしましては、受験資格に「学歴差」をなくして、一定の年齢以上で受験できるように試験制度が見直される予定です。
参考に、「適正な施工確保のための技術者制度検討会(第2期)」の資料を一部掲載しておきます。

国土交通省HPより

施行時期について

施行時期については、令和6年4月1日(月)となっています。

まとめ

いかがだったでしょうか?

近年、コロナウィルスに対応したリモートワーク等の取り扱いも含め、建設業界のルールに関して、これまでの仕組みとは大きく異なってきているところがあります。

なかなか法改正に対応していくのは大変だとは思いますが、大事な改正も多く含まれていますので、しっかりと適応できるようにしておくのが賢明だと思われます。

難しい場合は、外部の専門家(行政書士等)に頼りましょう。
※ただし、行政書士でも「建設業許可専門」をうたっている所は、建設業法そのものの仕組みを理解していない人も多いです。気を付けるようにしましょう。

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