雨で現場の休工をした際に、日給だから給料を払わなくていいと思ってませんか?

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

雨の日だから、休工する」ということは、土木や建築現場ではよくあることだと思いますが、「従業員さんが日給」だからという理由で何も支払わない、という会社をよく見かけますが、その判断は本当に正しいのでしょうか?

相談者

「ノーワーク・ノーペイ」なんだから、当然、給料は発生しないですよね?

浜田

おっしゃっていることはわかります。

上記のような対応をしている会社がほとんどだと思いますが、本当に大丈夫でしょうか…?

雨による現場の休工について「休業手当」が必要?

大前提のお話として、「賃金」は労働の対価です。

働かないものには賃金は支払わなくていいです。
⇒ノーワーク・ノーペイの原則

ただ、「使用者の責めに帰すべき事由」による休業については、使用者側の自己都合ということで労働者に対して、一定の手当を払う必要があります

それが、「休業手当」というものになります。

この「休業手当」が今回のポイントになります。

つまり、この雨による休工が、「使用者の責めに帰すべき事由」になるか否かということになります。

台風は天災事変の不可抗力

使用者の責めに帰すべき事由に該当しないものの代表例として、

「天災事変等の不可抗力による休業」というものがあります。

台風や地震についてはこちらに該当する可能性が非常に高いので、台風や地震が起こり、現場作業ができない場合に労働者を休業させたとしても、休業手当を支払う必要はない可能性が高いです。

では、ここに普段、降っているような雨は該当するのでしょうか?

雨天休工は、不可抗力になるかはかなり微妙です

結論から先に申し上げますと、雨天休工で使用者の責めに帰すべき事由があるかないかはケースバイケースの判断になると思います。

例えば、事務所で工事書類作成をすることも業務としてある労働者さんもいます(現場代理人等の従業員さんがこれに当たります)。

そういった労働者さんに、雨だからという理由で、今日はたまたま書類作成業務もやることないから「休業した上で、即手当なし」にするということはかなり難しいように思われます。

とは言え、現場のみの労働者さんについても、雨については天気予報であらかじめある程度想定できるわけですから、雨だからという理由のみで休業手当を支払わないということができるか否かは、かなり微妙な判断になると思います。
※例えば、どのタイミングで休みの判断をしたかによっても扱いは変わってくるでしょうし(考え方のロジックがあるのですが、特に「当日」の天候判断の場合は、休業手当を不支給とするのは非常に難しいです)、そもそもその労働者さんと、どういった労働契約をしているかによっても変わってきます。

対策はないのか?

上記の、現場のみの労働者さんへの対応方法の一つとしては、
休日を振り替える
という方法があると思います。

休日を振り替えることで、あらかじめ休日と定められた日を労働者とし、その代わりに他の労働日を休日にすることができます。

しかし、「休日の振替」は、あらかじめ行う必要があるので、当日いきなり振り替えるということはできませんので、ご注意ください。

また、休日を振り替えるためには、

就業規則や労働契約でその旨を記載しておく

ことが必要になります。

そのため、就業規則や労働契約がない場合、勝手に事業者判断で労働者を休日振替で休ませてしまって、後々、争いになった際は、かなり不利になるでしょう。

また、他の対策方法として
・従業員さんごとの労働する内容を、わかるようにしておく
ことも必要でしょう。

現場労働者さんが、
外作業以外に労働内容がないようはっきりと明示しておく
ことも万が一に備えて必要だと思います。

※トータルで考えた時に妥当な解釈ができない場合は、会社にとって「不利」な方向へ事態が流れてしまうことが多くなるでしょう。そのため、しっかりと規定などを整備しておくことが求められます。

まとめ

いかがだったでしょうか?

何も対策をせずに、日給制だからといって「雨天休工=無給・手当なし」としていると、後で痛い目にあうかもしれません。

賃金(休業手当を含む)の消滅時効は、2年から「3年」に伸びているので、何か争いになった際の今後支払う未払分が増大する可能性がありますので、くれぐれもご注意ください。

また、今回の話の本旨とは少しずれますが、「日給制」であることによって、会社として「働き方改革」をしづらくしてしまっていることが多いです(従業員さんのモチベーションなども含めて)。

2024年4月からは、時間外労働に上限規制が発生することになりますので、その辺りもあわせて意識する必要があるでしょう。

※当事務所は、建設業の働き方を深く理解している社会保険労務士・行政書士事務所です。

浜田

判断が難しいからこそ、一つ一つの事例を想定して、丁寧に会社の体制を整える必要があると思います!

その際は、「万が一」に備えた規定の整備が必須です。


当事務所について

当事務所は、1級土木施工管理技士所有の行政書士による行政書士業界では珍しい「建設業専門」の行政書士事務所です。また、社会保険労務士事務所を併設している社会保険を熟知している行政書士事務所です。

建設業「許可」専門でやっているような書類代行だけやっている先生より、「建設業に携わるのはどのような方で、何故そもそもその人たちが必要なのかといった」工事現場を通して肌感覚で感じた経験のあることで、様々な事例や相談に柔軟に対応できる元市役所職員(技術職)で現場の監督員経験もある社会保険労務士・行政書士がフットワークよく丁寧に対応させていただきます。

✅ 建設業の働き方にそった労務相談ができる数少ない事務所です。

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