経営事項審査の有効期限について(よくある勘違い?)

こんにちは。

社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、経営事項審査(経審)の有効期限について、お話していきます。

特に、私は「公共工事の入札」について、元公共工事の監督員の経験を活かして、幅広くサポートをしているのですが、実際に体験したことも踏まえて、色々お話できればと思います。

特に、埼玉県・東京都で広くサポートさせていただいております。

経営事項審査に有効期限はあるのか?

これについては、既に受審したことのある企業様であれば分かるかと思いますが、期限はあります

法律では下記のような記載があります。

毎年公共工事を発注者から直接請け負うためには、定期的に経営事項審査を受ける必要があります。定期的に経営事項審査を受けるとは、公共工事の発注者と請負契約を締結する日の1年7か月前の日の直後の事業年度終了の日(決算日、経営事項審査では「審査基準日」)以降に結果通知書の交付を受けていることをいいます(根拠条文:建設業法施行規則第18条の2)。

文章では少し分かりにくいので、図で説明します。

東京都より

経営事項審査の基準日とは、申請日(※2)の直前の審査基準日(決算日)です。

「12月31日決算」の会社を例として、今回は考えてみます。

申請の考え方⇒上記でいう、「前年12月31日決算」に基づく申請は、新たな決算を迎える日(上記でいう、当年12月31日)の前日までに申請することが必要です(新たな決算を迎えた日(当年12月31日)以降は申請できません。)。
(※1) 結果通知書の交付⇒例えば、東京都知事許可業者の結果通知書の交付に要する標準処理期間は、22日(閉庁日を含まない。)です。
(※2) 申請日とは、東京都の審査が終了して申請書が受理された日をいいます。

また、見てのとおり、「結果通知書の交付」があって、初めて公共工事を請け負うことができるため、申請が遅れた場合については、毎年、申請していたとしても、建設工事の請負契約ができない期間が生じる可能性がありますので、要注意ということになります。

また、上記は一例ですので、企業ごとの決算期によって、申請するタイミングが変わります。

よくある勘違いについて(実話を含めて)

ここからは、同業者である行政書士も勘違いしている(実際に、入札のコンサルティングをしている時に、手続きを代理していた別の行政書士がとんでもない勘違いをしていて、肝を冷やした経験があります)点について、触れていきます。

①東京電子自治体共同運営 電子調達サービスについて

「東京都電子自治体共同運営 電子調達サービス」では、東京都の市区町村等が参加しており、こちらのシステムを利用して入札等を行います。

そして下記の図にも書かれておりますが、

東京電子自治体共同運営協議会に参加している区市町村等の団体の競争入札参加資格の有効期限は、事業者ごとに異なっており、審査基準日(決算日)から1年8か月です。

とあります。

先ほどの、経営事項審査の有効期限は1年7か月です。

これが、本当にあった話なのですが、とある都内の建設業者様に対して、私が入札コンサルティング(入札コンサルティングとは、これまで経営事項審査をずっと受審しているが、公共工事を全く獲得できない、という方を対象に、私が「公共工事を受注」することをゴールにコンサルティングをさせていただくサービスです)をしている際に、もともと経営事項審査等の手続きを代理していた行政書士が、上記の期間を混同しており、経営事項審査を1年8か月以内に終わらせればいい、と考えていた事例がありました。

ちなみに、その建設業者様は、上記の行政書士に経営事項審査・入札参加資格申請を5年くらい依頼していたのですが、これまで公共工事を受注した実績は「ゼロ」でした。しかも、公共工事獲得に向けたサポートは一切受けていないとのことでした…。
⇒これは、私個人的な意見ですが、上記のような事例は、行政書士の金儲けのために建設業者様が利用されているとしか思えないですし、実際、このような建設業者様がかなり数多くいらっしゃるので、何とか救いたいと思っております(要は、上記で説明したとおり、経営事項審査は「毎年の受審」が必要なことから、毎年、手続きの依頼を受けることで行政書士の定期収入につながるという理由で、やみくもに経審の受審を勧めている行政書士が一定数いるというお話です。私は、それは許せないですし、本当に必要な企業が経審を受審すべき!という信念のもと、積極的に全企業様に対して勧めるようなことはしておりません。)。

そして、私が入札コンサルティングをしたことで、ようやく公共工事を「初」受注できるタイミングが訪れそうな、まさにそのタイミングで上記のようなトラブルが生じたのです。
⇒つまり、経審の申請が遅れて、経審の有効期限切れになりそう、というトラブルです。

私は、できる限り早く受審完了するようにアドバイスをさせていただきました。結果として、難を乗り越えましたが、本当に危なかったです。経営事項審査が受審完了になっていなければ、公共工事を受注することができないので、当時代理人だった行政書士は建設業法の理解もなく、なんとなくやっていたのだと思いますが、こういったことに気を付けないと、最悪、建設業者様自身がペナルティを受けることになりかねません。

気を付けましょう!

※ちなみにその建設業者様は、公共工事を「初」受注できました!

②各自治体等の名簿登載について

①の東京都のシステムは、結構例外パターンで、結果としては、経営事項審査のように毎年更新が必要なケースなのですが、だいたいの自治体は、公共工事の競争入札への参加資格名簿への登載期間が、「2年」になっています。

ただ、こちらの「2年」については、経営事項審査とは全く異なる制度ですので、名簿登載の期間が2年あるから、経営事項審査を毎年受けなくてもいいとはなりません。

公共工事を受注するには、これまで説明したとおり、経営事項審査の受審が完了している必要がありますので、毎年の受審を忘れないようにしましょう。




当事務所では、単なる「行政書士として経営事項審査を申請するだけ」の業務ではなく、経営事項審査を最適に受けるためのアドバイス等を元公共工事の監督員(1級土木施工管理技士所有)の経験を活かしてご対応させていただきます。

📩 今すぐご相談ください

  • 経審の点数をもっと上げたい
  • どこに問題があるのか分からない
  • 技術者や外注管理で悩んでいる
  • 金融機関や発注者からの評価を高めたい
  • 公共工事を受注したい!

そうお感じの方は、ぜひ一度浜田事務所までお問い合わせください。
初回相談は無料(ただし、ご依頼の意思がある企業様に限ります)。


埼玉県の志木市・新座市・朝霞市・和光市・さいたま市・富士見市・所沢市・三芳町・戸田市・蕨市・川口市・ふじみ野市・川越市・飯能市・狭山市・入間市・鶴ヶ島市・日高市・坂戸市・東松山市・毛呂山町・鳩山町・川島町・上尾市・桶川市・北本市(その他埼玉県・東京都・千葉県の市区町村のお客様も、一度ご相談ください。)で建設業に関すること(建設業許可、更新、業種追加、事業年度終了報告書、経営事項審査、入札参加資格登録、建設キャリアアップシステム、人事労務、助成金、補助金)なら社会保険労務士・行政書士浜田佳孝事務所へ

建設業の未来に、本気で寄り添うパートナーとして。
私たちは、経審の点数の先にある“信頼と成長”を、ともに築いていきます。

書籍出版について

たったこれだけ!建設業許可が「誰でも簡単に」申請できるようになる本

内容は、下記のとおりです。

「こんな本が欲しかった!」と言われるものを目指しました。建設業許可をこれから新たに取得したい「建設業にたずさわる社長様」必見!この本を読むだけで、建設業許可が「誰でも簡単」に申請できるようになります。マンガを取り入れ、ストーリー形式にすることで実務本ならではの堅苦しさを排除しました。申請に必要な要件、書類についてできる限りわかりやすく解説を加えています。さらに、令和2年10月の建設業法改正にも対応しており、最新の情報が手に入ります!これから建設業許可業務を始めようと思っている行政書士の方にも読みやすい1冊。

購入はこちらから

★電子書籍の読み方(スマホ編) Kindleアプリを開いて読むことができます。iPhone等のiOS端末はApp Storeから、AndroidはGoogle Playストアからそれぞれ無料でダウンロードができます。

★電子書籍の読み方(パソコン編) パソコンで読む場合にもKindleアプリが必要になります。「Kindle アプリ」と検索してKindleアプリの入手画面へ行きましょう。「デスクトップはここから PC&Mac」をクリックして無料でKindleアプリがダウンロードできます。あとはアプリにAmazonアカウントでログインすればパソコンで読むことができます。

※紙の本もございます。



働き方改革関連書籍のご案内

最新労働基準法対応版 建設業の働き方改革即効対策マニュアル(秀和システム)
⇒好評発売中!
※Amazonや全国の書店等で、購入可能となっております。
購入はこちらから

【内容の説明】
建設業の2024年問題について、あなたはご存知でしょうか?

これまで青天井だった「建設業の時間外労働」にとうとうメスが入ります。これに耐えることができなければ、最悪の場合は、「廃業」せざるを得なくなります。

これまでの本にはなかった「建設業」のみに絞った働き方改革の書籍になります。

元公共工事監督員、現社会保険労務士・行政書士の立場で現時点での「実情」や、それに対応するための「提案」、また建設業界のよくある労働法令に関する「間違い」「勘違い」についても触れていますので、何かしら参考になる部分は必ずあると思います。「少しでも業界が良くなれば」という思いで執筆をさせていただきました。


③「図解即戦力 土木業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりとわかる教科書」(技術評論社)
⇒好評発売中!
※Amazonや全国の書店等で、購入可能となっております。
購入は、こちらから

【内容の説明】
「土木業界のことは、知らないけど興味がある」
「お客様に土木業界の人がいるけど、普段どんな仕事をしているのかあまりわからない」「土木業界に今後、就職したいと思っているので、何をやっているのか知りたい」
といった幅広いニーズに応えられる書籍になっております。

土木業界とは何なのか?
土木工事って、どんなものがあるのか?
土木業界で活躍している人には、どんな人がいるのか?
どんな資格があるのか?
今、問題になっていることは?
といった様々なことを、これ1冊で学ぶことができます!


当事務所について

当事務所は、1級土木施工管理技士所有の行政書士による行政書士業界では珍しい「建設業専門」の行政書士事務所です。また、社会保険を熟知している建設業界に強い社会保険労務士事務所でもあります。

建設業「許可」専門でやっているような書類代行だけやっている先生より、「建設業に携わるのはどのような方で、何故そもそもその人たちが必要なのかといった」工事現場を通して肌感覚で感じた経験のあることで、様々な事例や相談に柔軟に対応できる元市役所職員(技術職)で現場の監督員経験もある行政書士がフットワークよく丁寧に対応させていただきます。

✅ 来所の手間がありません!基本、ご訪問させていただきます。

✅ 当事務所は、オンライン等での対応も可能です。多少の資料等のやり取りはあると思いますが、必要に応じてオンラインで対応させていただくことも可能です。 

✅ 「顧問契約を結んでいただけるお客様」については、新規許可及び業種追加の際の報酬は「半額」になります。※問い合わせ多数のため、早めに締め切る可能性がございます。

✅ もちろん、社会保険労務士としての契約だけでも全く問題ございません。建設業界に精通し、業務特化していることから建設業に関する最適なアドバイスをさせていただきます。

✅ 行政書士業務もしていることから、建設業許可関係もまとめて依頼できるので、他事務所と比べてコスパが圧倒的にいいです。

※単純に建設業許可といっても、近年の法改正で社会保険加入が義務化されていたりしています。そのため、社会保険を知らない行政書士が建設業許可申請を行うと、思わぬとばっちりを食らう可能性があります
また、現場のことを理解していない行政書士が建設業許可の手続きを行うと、後々、業種の追加や公共工事に参入する際等に思わぬ問題が生じる可能性がございます。
⇒当事務所は、上記のとおり現場のことも社会保険のことも熟知しているため、思わぬトラブルを事前に回避することができますので、ご安心ください。

埼玉県の志木市・新座市・朝霞市・和光市・さいたま市・富士見市・所沢市・三芳町・戸田市・蕨市・川口市・ふじみ野市・川越市・飯能市・狭山市・入間市・鶴ヶ島市・日高市・坂戸市・東松山市・毛呂山町・鳩山町・川島町・上尾市・桶川市・北本市(その他埼玉県・東京都・千葉県の市区町村のお客様も、一度ご相談ください。)で建設業に関すること(建設業許可、更新、業種追加、事業年度終了報告書、経営事項審査、入札参加資格登録、建設キャリアアップシステム、人事労務、助成金、補助金)なら社会保険労務士・行政書士浜田佳孝事務所へ

この記事を書いた人