建設業許可って必要?不要?もう迷わない“3つの判断基準”

✅ 1. 「500万円以上」の定義は税込

建設業許可が必要になる基準として「工事1件あたり500万円以上(建築一式工事の場合は1,500万円以上)」という金額が法令上定められています。

この「500万円」の定義について、「税抜価格で判断してよい」と誤解している方が少なくありませんが、これは大きな間違いです。

法律上の判断基準としては、**税込金額(消費税を含む総額)**で判断されることになっています。

たとえば、税抜で490万円の工事を請け負ったとしても、消費税10%を加算すれば539万円となり、この時点で建設業許可が必要になります。実務上も、消費税抜きで契約書や請書を交わすことはあっても、監督官庁によるチェックの際には税込金額で判断されるため、許可の有無を間違えると行政処分の対象となる可能性があります。

こうした「税込 or 税抜」の基本的な理解が不足していると、知らず知らずのうちに無許可工事を行ってしまうリスクが高まるため、建設業に携わる方は必ず正確に押さえておく必要があります。

✅ 2. 手間受け(労務のみ契約)でも材料費込みで判断

建設業において「うちは材料を支給されて、労務だけを提供しているから、500万円未満の契約なら建設業許可はいらない」と考えている事業者も多いですが、これは非常に危険な誤解です。

建設業法では、「請負金額500万円以上かどうか」は、材料費を含めた工事の総額で判断するというのが原則です。

たとえ下請契約が労務提供のみ(いわゆる手間受け)であったとしても、実際に使用された材料費を含めて総額が500万円以上の場合は、建設業許可が必要となります。

ここで問題になるのが、元請から材料を支給されたケースです。このような場合、元請もすべての下請業者に支給した材料費を正確に把握できていないことが多く、結果として「知らずに許可が必要な工事をしていた」というリスクが生まれます。

近年、コンプライアンス意識の高まりにより、元請企業から「手間受けであっても建設業許可を取ってほしい」という要請が増えているのも、こうした背景があるためです。

つまり「手間だけだからOK」ではなく、「材料を含めた総額」での正しい判断が必要不可欠なのです。

✅ 3. 無許可で工事をしてもバレない? → バレます

「建設業許可を持っていないけれど、実際にはバレないだろう」と安易に考え、許可が必要な金額(500万円以上)の工事を請け負っているケースが現場では散見されます。

しかし、これは非常にリスクの高い行為です。実際、東京都などの自治体では、無許可で工事を請け負っていた業者に対して営業停止命令や社名の公表といった厳しい行政処分を行っています。

公的に名前が出てしまえば、取引先や元請からの信頼は一気に失われ、事業継続にも重大な影響を与えます。また、元請業者が調査対象となった場合、その下請の契約内容まで遡って確認されるため、「うちは小さい会社だから大丈夫」といった楽観は通用しません。

さらに、近年では建設業界全体でコンプライアンス意識が高まっており、元請側も「無許可業者を使っていた」という事実があれば、自社の評価に大きなダメージを受けることを恐れています。そして、調査や通報の機会は年々増加傾向にあります。

つまり、「バレない」ではなく、「いつバレてもおかしくない」が現実であり、正規の建設業許可を取得しておくことが、長期的な信頼と経営安定への第一歩となるのです。

✅ 4. 許可取得にはコストがかかるが「信用力の証」

建設業許可の取得には、登録免許税や証紙代、申請書類作成費用、そしてその後の更新費用や毎年の決算報告(事業年度終了報告)など、一定のコストと手間がかかります。

そのため、「うちはたまにしか大きな工事をしないから」「お金も時間もかかるから、許可は不要」と考える事業者もいます。

しかし、それは短期的な視点に過ぎません。建設業許可は、法律で定められたルールであると同時に、業界内での信用力の証明でもあります。発注者や元請企業から見れば、許可を持っているということは「一定の要件を満たした信頼できる業者」であるということ。

逆に、無許可であることが判明すれば、それだけで取引停止や信用喪失に直結します。特に近年は、公共工事や大規模民間工事において、許可業者しか使わないという方針の元請業者が増加傾向にあり、許可がないことで機会損失に直結する場面も少なくありません。建設業は社会インフラを担う責任の重い業種です。だからこそ、法に則り、許可を取得して堂々と営業することが、信頼と発展の礎となるのです。

建設業許可は、「知らなかった」では済まされない重要な制度です。適切な判断ができなければ、信用の失墜や行政処分という大きなリスクを背負うことになります。

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