建設業許可が取れない理由で多かったことと私の思うこと【令和4年度を振り返って】

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、令和4年度が終わったばかりですので、この1年間を通じて感じたことをお話ししていきたいと思います。

テーマは、建設業許可で許可が取れない事由として最も多かったことと私がそれを踏まえて感じていることです。

建設業許可が取れない理由で、一番多かったのは「経営業務の管理責任者」の要件を満たせないこと

建設業許可が取れない理由で、一番多かったのは、やはり「経営業務の管理責任者」関係でした。

これは、建設業許可で最も大事な要件の一つになっているのですが、経営業務の管理責任者が必要な趣旨を要約すると

「建設業は非常に公共性が高く、専門性の高い産業のため、建設業許可が必要になるような大きな工事をするためには、会社に建設の事業を経営したことのある人が人員として必要です」

ということになります。
(もし、建設業許可の要件をまるっと確認したい場合は、こちらの記事をご覧ください)

つまり、この経営業務の管理責任者の要件を満たすためには、法人の役員経験や個人事業主のような建設業を経営した経験が必要になるということです。

そして、法人であれば、その人を常勤役員にする必要があるということになります。

そうなりますと、サラリーマンをしていた方がいきなり独立しても、これまで建設の事業を経営したことがないため、経営業務の管理責任者の要件を満たせず、建設業許可を取得することができないということになります。

そのため、当事務所への相談でも、上記のようなサラリーマンから独立したばっかりの方から建設業許可を取得したい旨の相談が結構あるのですが、この場合は残念ながら建設業許可を取得することはできないという回答をしております。

しかしながら、上記のようなケースでも取得できる可能性があります。それは、これまで建設業を経営したことのある人(法人の役員や個人事業主)に新しく役員になってもらう場合です。
この場合は、建設業許可を取得できる可能性があります。

そして、この「経営業務の管理責任者」として認められるための過去に建設業を経営していた経験ですが、原則ですと「5年」必要になります。これを証明するために、埼玉県の場合には、工事の契約書や請求書、確定申告書等々の書類で証明することになります。

この原則の「5年」というのは法律で決まっているため、現時点ではどうすることもできないのですが、そもそもこの5年間という期間が妥当かどうかは確かに疑問に思うところはあります。

結局のところ、「何をもって建設業の経営をしたことがあるとみるか」ですので、何年やればOKというような線引きは本来はできないですし、年数だけで判断するのは妥当でない場合もあると思います。

私も一人の経営者ですが、同業者を見ても「歴=実力」ではないことは明白ですし、それはどの業界でも同じでしょう。

それなのに何故5年も必要なのか?と思われる方が、実際問題かなり多いのではないでしょうか?
この5年の縛りのせいで、許可を取れない方もかなりの数いらっしゃるでしょうし、元請業者もこの縛りのせいで、許可が取れない下請業者に仕事を出したいのに仕事を出せないこともあると思います。

そして、この期間の問題については、当時この法律をつくる際にも検討をされたことでしょうし、約2年前に施行された法改正時にも議論された所でしょう。

それでも変わらなかったのは「法の趣旨」がもちろんあり、どこかで線引きをするしかないため、やむを得ない部分もあることとは思いますが、「5年」というものにはやはり明確な根拠はないと、元行政の人間として感じています。
できれば、もう少しこれまでの本当の実績や今の実力で判断できる要素が加われば…というのが現時点での私の思うところです。

このような発信をしたところで法律そのものが変わるわけではないですが、これからも「本当に建設業界に寄り添える事務所」をモットーに事務所運営をして参ります。

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