法律理解と“人を見る力”が監督(調査)対応の明暗を分ける
「労基署の監督(調査)が入るかもしれない」
「急に監督(調査)の通知が届いた」
「いきなり労基署の監督官がやってきた」
そう聞くだけで不安になる方も多いのではないでしょうか。
特に建設業界では、残業時間・労働時間の管理、安全衛生、法定書類など、見られるポイントが非常に多岐にわたるため、何をどこまで対応すれば良いのかがわからず、不安を感じる経営者が少なくありません。
しかし、実は調査において最も重要なのは、「書類が揃っているかどうか」ではありません。
本当に問われるのは、**「法的な根拠を理解しているか」「調査官の意図を正しく読み取り、柔軟に対応できるか」**という部分です。
今回は、労基署調査対応で見落とされがちな「本当に大切な視点」について、現場での豊富な経験を踏まえてお伝えします。
① 法律・基準などの理解が“土台”になる
労働基準監督署の監督(調査)において、まず何よりも重要となるのが「法律や基準を正確に理解しているかどうか」です。これは単に「知っている」というレベルの話ではなく、「実務のどの部分が、どの法令・通達・判例に基づいているのか」を、自社の業務に落とし込んで説明できるレベルで理解しておく必要があります。
建設業の場合、関係してくる法令は非常に多岐にわたります。
労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法、労働契約法、労災保険法などが主に関わってきますが、それぞれに細かい運用指針や通達、判例等が存在します。さらに建設業特有の「現場実態」とのギャップがあるため、「実態ではこうやっている」だけでは通用しない場面が非常に多いのです。
たとえば、「固定残業代を含んだ賃金設計」においても、
✔ 労働契約書上の明示
✔ 固定残業代の算定根拠
✔ 時間外労働との対応関係
✔ 実際の労働時間との整合性
✔ みなし残業の限度と超過分の支払い実態
といった点を総合的に見たうえで、「これは適法な運用がなされているか」が問われます。
これらを正しく理解し、実務とすり合わせて運用できているかどうかは、監督(調査)での対応結果に直結します。
また、36協定の締結・届出の実態についても同様です。ただ様式に沿って協定を出していれば良いのではなく、協定の時間数が実態と合っているか、従業員代表の選出手続きが法的に適正だったか、そもそも協定どおりに運用されているかといった点が厳しくチェックされます。
加えて、調査官が注視するのは「違反」そのものよりも、「その違反が故意であるかどうか」「制度を理解しないまま放置していたかどうか」という**“姿勢”**の部分です。
つまり、調査においては「結果」と同時に「プロセス=理解と改善の意識」が評価されるわけです。だからこそ、事業者自身が自らの制度設計や就業ルール、労働時間管理、賃金体系、安全衛生体制などがどの法令に基づき、どう運用されているのかを理解していることが極めて重要なのです。
この“理解している”という姿勢があるだけで、調査官の対応も大きく変わります。
なぜなら調査官自身も、「1人の人間(ヒト)」であり感情を持っておりますし、人によってスタンスは異なりますが、基本的には「違反を摘発すること」が目的なのではなく、「法の遵守と改善意識を促すこと」に重きを置いています。
だからこそ、こちらが法令と基準をしっかり理解したうえで、「このように運用しています」「この部分は改善中です」と具体的に説明できることが、最も重要な“防御力”となります。
逆に、曖昧な返答や誤った理解をそのままにしてしまうと、「この事業者は全体的にリスクが高い」と判断され、重点調査や是正指導の対象となる可能性もあります。
法律と基準の理解は、「攻めるための武器」ではありません。
むしろ、**自社を守るための“土台”であり、信頼を勝ち取るための“対話の共通言語”**です。
調査の場では、書類の体裁だけを整えていても不十分です。
本当に求められているのは、「なぜそのような制度設計にしているのか」「その制度は法に照らして適正なのか」を、言葉で説明できる力なのです。
②「相手を見極める力」は経験で磨かれる
労働基準監督署の監督(調査)において、もう一つ極めて重要なのが、「相手=監督官の出方・性格・スタンスを的確に見極める力」です。
一口に“監督(調査)”といっても、実際の対応はマニュアル通りにはいきません。
なぜなら、監督(調査)を担当する「人間」の個性や価値観、属している労基署の方針によって、同じ案件でもまったく異なる対応をされることがあるからです。
たとえば、ある監督官は書面を重視し、「形式整っていればよし」と考える傾向がある一方で、別の監督官は現場の実態や口頭での説明に強くこだわる場合もあります。ある人は冷静に事実を確認しようとしますし、別の人はかなり厳しい姿勢で問い詰めてくることもあります。
ここで重要になるのが、相手の話し方、質問の仕方、資料の要求内容、表情の変化などを観察することで「この人はどこに重きを置いているのか」「どこに問題意識を感じているのか」を即座に読み取る力です。
この見極めができれば、
・どの部分を丁寧に説明するか
・どこで深く踏み込まれるリスクがあるか
・どういった改善提案をすれば効果的か
といった“対応の戦略”が組めるようになります。
逆に、相手の性格やスタンスを見誤ると、
✔ 余計なことを喋って話が広がってしまう
✔ 本来争点でない部分に調査の焦点が移ってしまう
✔ 本来防げたはずの是正勧告を受けてしまう
といったリスクも現実的に生じてきます。
これは、どれだけ法令に詳しくても、それだけではカバーしきれない「現場力」が問われる領域です。
つまり、「この監督官はどういう人か?」を冷静に観察し、柔軟に対応を組み立てられる能力が、調査を円滑に進めるうえで欠かせないのです。
さらに言えば、この“見極め力”は、単なる「人当たりの良さ」とは異なります。
むしろ、「相手の主張の奥にある“意図”を読み取る力」「表面的な言葉の背後にある“判断基準”を感じ取る力」に近いものであり、これは場数を踏まないと身につきません。
また、監督官の対応一つを取っても、その背後には
・その労基署の方針(厳しめに見てくるのか、指導重視なのか)
・近年の行政指導トレンド(特定業種の重点監督等)
・監督官の経験年数や担当件数
といった複合的な背景があります。
だからこそ、監督(調査)の場においては、
「この人は、なぜこの質問をしてきたのか?」「どこに論点を置こうとしているのか?」という“意図読み”の力が求められるのです。
これは、経験の中で少しずつ身につけていくしかありません。
しかし、この“読み取る力”を持っていると、調査を「受け身」で終わらせるのではなく、主体的にコントロールできる領域が一気に広がります。
極端に言えば、監督官のペースで進む調査か、自分のペースで進められる調査かは、この「相手の見極め力」で決まるといっても過言ではありません。
そしてこの力は、まさに私たち士業のように、現場で多くの監督(調査)対応に関わってきた人間が、クライアントに提供できる“付加価値の一つ”だと私は考えています。
私自身、かつては市役所で開発許可・補助金・公共工事の監督員などの業務に従事しており、約9年間の「行政側の立場」で指導や確認をする側の経験があります。
その経験を通じて、行政職員が
✔ どのように情報を収集し、
✔ どの資料に注目し、
✔ どのポイントに問題意識を持つのか
という“行政の思考パターン”を肌で理解しています。
また、相手の口調や質問の順序、持参書類の傾向などから、**「この人はどこを主眼に調査しているのか」「どこを通して全体を見ようとしているのか」**を読み取るスキルは、まさに元行政職員として培った“内部視点”によるものです。
だからこそ、労働基準監督官という「行政の調査官」が、どういうスタンスで臨んでいるのかを読み解き、事業者側が過剰防衛にならず、しかし甘くもならない、最適な“攻めと守り”のバランスを取った対応戦略をご提案できるのです。
▽まずは相談から始めてみませんか?
私は、建設業専門の社労士・行政書士として、労働基準監督署の監督(調査)立会いや是正対応などを多数経験してきました。
加えて、私は元市役所の職員として、行政側で許認可・補助金・工事の監督員などの業務を長く担っていた経験があり、調査官側の“視点・思考パターン”にも精通しています。
だからこそ、調査における「見られるポイント」や「対応すべき順番」を的確に整理し、御社の状況に応じた最適なサポートが可能です。
🔍 提供できる支援内容の一例:
- 現状の制度・帳票類のチェックとリスク把握
- 想定問答の整理と説明の“型”の設計
- 監督(調査)官タイプに応じた戦略的対応の組み立て
- 是正勧告が出た際のフォローアップ・報告書作成
“現場も法もわかる専門家”として、机上の理屈ではなく、御社の実情に合った支援を提供します。
料金について
| 監督の立会等の事前対応 | 監督後のフォローアップ |
| 66,000円~(税込) | 77,000円~(税込) |
| 労基署からの連絡~当日立会まで | 立会後~是正完了まで |
埼玉県の志木市・新座市・朝霞市・和光市・さいたま市・富士見市・所沢市・三芳町・戸田市・蕨市・川口市・ふじみ野市・川越市・飯能市・狭山市・入間市・鶴ヶ島市・日高市・坂戸市・東松山市・毛呂山町・鳩山町・川島町・上尾市・桶川市・北本市(その他埼玉県・東京都・千葉県の市区町村のお客様も、一度ご相談ください。)で建設業に関すること(建設業許可、更新、業種追加、事業年度終了報告書、経営事項審査、入札参加資格申請、建設キャリアアップシステム、人事労務、助成金、補助金)なら社会保険労務士・行政書士浜田佳孝事務所へ
書籍出版について
①たったこれだけ!建設業許可が「誰でも簡単に」申請できるようになる本

内容は、下記のとおりです。
「こんな本が欲しかった!」と言われるものを目指しました。建設業許可をこれから新たに取得したい「建設業にたずさわる社長様」必見!この本を読むだけで、建設業許可が「誰でも簡単」に申請できるようになります。マンガを取り入れ、ストーリー形式にすることで実務本ならではの堅苦しさを排除しました。申請に必要な要件、書類についてできる限りわかりやすく解説を加えています。さらに、令和2年10月の建設業法改正にも対応しており、最新の情報が手に入ります!これから建設業許可業務を始めようと思っている行政書士の方にも読みやすい1冊。
★電子書籍の読み方(スマホ編) Kindleアプリを開いて読むことができます。iPhone等のiOS端末はApp Storeから、AndroidはGoogle Playストアからそれぞれ無料でダウンロードができます。
★電子書籍の読み方(パソコン編) パソコンで読む場合にもKindleアプリが必要になります。「Kindle アプリ」と検索してKindleアプリの入手画面へ行きましょう。「デスクトップはここから PC&Mac」をクリックして無料でKindleアプリがダウンロードできます。あとはアプリにAmazonアカウントでログインすればパソコンで読むことができます。
※紙の本もございます。
②働き方改革関連書籍のご案内
最新労働基準法対応版 建設業の働き方改革即効対策マニュアル(秀和システム)
⇒好評発売中!
※Amazonや全国の書店等で、購入可能となっております。
購入はこちらから

【内容の説明】
建設業の2024年問題について、あなたはご存知でしょうか?
これまで青天井だった「建設業の時間外労働」にとうとうメスが入ります。これに耐えることができなければ、最悪の場合は、「廃業」せざるを得なくなります。
これまでの本にはなかった「建設業」のみに絞った働き方改革の書籍になります。
元公共工事監督員、現社会保険労務士・行政書士の立場で現時点での「実情」や、それに対応するための「提案」、また建設業界のよくある労働法令に関する「間違い」「勘違い」についても触れていますので、何かしら参考になる部分は必ずあると思います。「少しでも業界が良くなれば」という思いで執筆をさせていただきました。
③「図解即戦力 土木業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりとわかる教科書」(技術評論社)
⇒好評発売中!
※Amazonや全国の書店等で、購入可能となっております。
購入は、こちらから

【内容の説明】
「土木業界のことは、知らないけど興味がある」
「お客様に土木業界の人がいるけど、普段どんな仕事をしているのかあまりわからない」「土木業界に今後、就職したいと思っているので、何をやっているのか知りたい」
といった幅広いニーズに応えられる書籍になっております。
土木業界とは何なのか?
土木工事って、どんなものがあるのか?
土木業界で活躍している人には、どんな人がいるのか?
どんな資格があるのか?
今、問題になっていることは?
といった様々なことを、これ1冊で学ぶことができます!
当事務所について

当事務所は、1級土木施工管理技士所有の行政書士による行政書士業界では珍しい「建設業専門」の行政書士事務所です。また、社会保険を熟知している建設業界に強い社会保険労務士事務所でもあります。
建設業「許可」専門でやっているような書類代行だけやっている先生より、「建設業に携わるのはどのような方で、何故そもそもその人たちが必要なのかといった」工事現場を通して肌感覚で感じた経験のあることで、様々な事例や相談に柔軟に対応できる元市役所職員(技術職)で現場の監督員経験もある行政書士がフットワークよく丁寧に対応させていただきます。
✅ 来所の手間がありません!基本、ご訪問させていただきます。
✅ 当事務所は、オンライン等での対応も可能です。多少の資料等のやり取りはあると思いますが、必要に応じてオンラインで対応させていただくことも可能です。
✅ 「顧問契約を結んでいただけるお客様」については、新規許可及び業種追加の際の報酬は「半額」になります。※問い合わせ多数のため、早めに締め切る可能性がございます。
✅ もちろん、社会保険労務士としての契約だけでも全く問題ございません。建設業界に精通し、業務特化していることから建設業に関する最適なアドバイスをさせていただきます。
✅ 行政書士業務もしていることから、建設業許可関係もまとめて依頼できるので、他事務所と比べてコスパが圧倒的にいいです。
※単純に建設業許可といっても、近年の法改正で社会保険加入が義務化されていたりしています。そのため、社会保険を知らない行政書士が建設業許可申請を行うと、思わぬとばっちりを食らう可能性があります。
また、現場のことを理解していない行政書士が建設業許可の手続きを行うと、後々、業種の追加や公共工事に参入する際等に思わぬ問題が生じる可能性がございます。
⇒当事務所は、上記のとおり現場のことも社会保険のことも熟知しているため、思わぬトラブルを事前に回避することができますので、ご安心ください。
埼玉県の志木市・新座市・朝霞市・和光市・さいたま市・富士見市・所沢市・三芳町・戸田市・蕨市・川口市・ふじみ野市・川越市・飯能市・狭山市・入間市・鶴ヶ島市・日高市・坂戸市・東松山市・毛呂山町・鳩山町・川島町・上尾市・桶川市・北本市(その他埼玉県・東京都・千葉県の市区町村のお客様も、一度ご相談ください。)で建設業に関すること(建設業許可、更新、業種追加、事業年度終了報告書、経営事項審査、入札参加資格申請、建設キャリアアップシステム、人事労務、助成金、補助金)なら社会保険労務士・行政書士浜田佳孝事務所へ

