【建設業許可の落とし穴】「請負金額500万円未満なら許可不要」は本当か?実は知られていない注意点とは

建設業界において「建設業許可を持っていますか?」という質問を受けたことがある方は多いのではないでしょうか。一見すると形式的な確認のように思えるこの質問ですが、実は非常に重要な意味を持っています。今回は、その根拠と背景を分かりやすく解説いたします。

建設業許可が必要なケースとは?

まず、建設業法第3条第1項では、「請負代金の額が500万円(建築一式工事の場合は1,500万円)以上となる工事を請け負う場合」は、建設業の許可を受けなければならないと定められています。これに違反すると、建設業法第28条第1項に基づき、指示処分や営業停止処分の対象となる可能性があります。

また、元請企業が建設業許可を持たない業者に500万円以上の工事を発注すると、元請側にも法的リスクが生じます。このため、多くの元請企業は、契約前に必ず下請企業に建設業許可の有無を確認しているのです。

「手間請け」や「材料支給」にも注意が必要

ここで見落としがちな落とし穴があります。それは、「手間請け」や「材料支給」の場合です。たとえば、下請企業との契約金額が480万円だったとしても、注文者(元請企業)が材料を提供した場合はどうでしょうか?

建設業法施行令第1条の2では、「注文者が材料を提供する場合、その市場価格又は市場価格及び運送賃を当該請負契約の請負代金の額に加えたものを請負代金の額とする。」と定められています。

つまり、契約書上は500万円未満でも、実質的な請負金額が500万円を超えていると見なされる場合があるのです。

この点を見落としてしまうと、知らず知らずのうちに無許可業者と契約してしまったというリスクが発生するのです。

東京都の監督処分基準にも注意

さらに、東京都など一部自治体では「建設業者の不正行為に対する監督処分基準」が公開されており、無許可業者との契約については処分の対象となる行為として明確に記載されています。

処分の重さは、その違反が「故意」か「重過失」であるかによって異なりますが、最悪の場合は営業停止処分が科されることもあります。特に元請企業にとっては、大きな信用問題にも発展しかねないため、注意が必要です。

以上のことから、コンプライアンスを遵守することが求められる今の時代に、建設業許可を持っていないことによる工事の失注等は、今後、より避けられないものになってくると考えておりますし、実際、現時点でも感じているところです。

下請業者も安心できない?「逆のケース」もある

ここまで「元請企業が確認する立場」での話を中心に進めてきましたが、逆に元請企業が適切な許可を持っていない場合にも、下請企業側が巻き込まれるリスクがあります。

例えば、特定建設業の許可が必要な規模の工事であるにも関わらず、元請が一般建設業許可しか持っていなかったような場合。知らずに契約してしまった下請業者も、処分の対象となる可能性があるのです。

つまり、下請業者であっても、「元請企業が適切な許可を持っているか」を確認することが、コンプライアンス上のリスク回避に繋がります。

まとめ|確認を怠らないことが信頼と継続取引への鍵

「500万円未満なら建設業許可は不要」という認識は、決して間違いではありません。しかし、材料支給による加算や、契約金額の判断基準によっては例外となるケースもあります。

建設業においては、法令遵守が取引の基本です。元請・下請の立場に関わらず、「建設業許可の有無」を確認することは、リスク管理の第一歩となります。自社の信用を守り、安定した取引関係を築くためにも、ぜひ今回の内容を参考にしていただければと思います。



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