建設業の社長及び給与担当者が知らないとマズい長時間労働における割増賃金について

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

そのため、今後は労務関連の記事も多く書いていこうと思っています。

今日は、建設業の社長及び給与担当者が知らないとマズい「長時間労働における割増賃金」についてお話をしようと思います。

長時間労働を従業員がした際に、きちんと残業代を支払っていますか。

「ウチは、日給制だから長時間労働(割増賃金)とか関係ないよね?」

「日給制でも土曜日出勤に割増賃金なんて必要なの?」

「日給制だし、休日の定義なんてそもそも会社で決めてないから」

上記に少しでも該当しそうな場合は、お気を付けください。
もしかしたら、気づかずに未払い残業になっている可能性がございます。

※日給制でも、法定労働時間(下記で説明します)を超過する場合は、当然割増賃金が必要になります。
法定労働時間の計算に当たっては、給与体系は関係ございません。

まずは、以下の図をご覧ください。

ソース画像を表示

長岡労働相談所より

大前提として、労働時間は、
・1日につき、8時間まで
・1週間につき、40時間まで
というルールがあります。
これが法律で定められた「法定」労働時間と言います。

一方で、上記の会社の労働時間は7時間(これを「所定労働時間」と言います。)となっていますが、労働時間が仮に7時間を超えて8時間以内であれば、法定労働時間は遵守していることから、労働基準法上は問題がないということになります。
つまり、残業代に対し割増賃金を支払わなくても法的には問題がないということです。

そのため、上記のケースについては、法定労働時間(8時間)を超える労働時間にのみ割増賃金を支払えば問題がないということになります。

ただし、会社の所定労働時間は7時間であることから、この1時間について割増賃金を発生させるか否かは会社のルール次第ということになります。
※もし、会社のルールで7時間超え8時間以内の労働時間について、割増賃金を発生させるというルールが存在する場合は、払わないと法的に問題があるということになってしまいます。

また、余談にはなりますが、そもそも法定労働時間を超える労働時間をするためには、別途労使協定(36協定:時間外労働やってもいいよみたいな取り決めのことです)というものが必要になります。

※補足にはなりますが、上記のケースでは、1週39時間の労働時間となっていますが、これに仮に土曜日出勤をさせているようなケースで、1時間を超える労働時間が発生した場合は、その時点から「1週間」の法定労働時間を超えたことになり当然割増賃金を支払う可能性が出てきます。
※ここで、土曜日と日曜日を会社の休日としていた場合は、休日労働と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、法律で言う休日は週1回あればよいので、左記で言う休日を日曜日にするという会社のルールが存在している前提でお話しすると、土曜日は会社上は休日であったとしても、労働基準法上の取り扱いとすると「時間外労働」ということになります。つまり割増賃金は25%(2割5分)でいいということになります。

下記に、労働基準法に規定されている割増賃金について記載します。

時間外、休日及び深夜の割増賃金 労働基準法第 37 条、第 138 条

時間外、深夜(原則として午後 10 時~午前 5 時)に労働させた場合には 2 割 5 分以上(限度時間を超えた場合は 2 割 5 分を超える率とするよう努めること、
1 か月に 60 時間を超えた場合は 5割以上(注 1))、
法定休日に労働させた場合には 3 割 5 分以上の割増賃金を支払わなければなりません。
(注 1)中小企業については、当分の間(令和5年5月31日まで)、適用が猶予されます。
*割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当、住宅手当、別居手当、子女教育手当、臨時に支払われた賃金、1 か月を超える期間ごとに支払われる賃金は算入しません。
なお、割増賃金の計算の基礎に含まれるかどうかは、名称ではなく内容により判断されます。例えば、家族手当であったとしても、家族数にかかわらず一律に支給されるものについては、上記で言う除外対象にはならず、割増賃金の算定の基礎に参入しなければならなかったりします。他にも住宅手当について、全員に一律に支給されるものは割増賃金の算定の基礎に参入しなければなりません。

ちなみにですが、
時間外労働(60時間以内)かつ深夜労働をした場合については、それぞれの額を合算した5割以上(2割5分+2割5分)の割増賃金が必要になったりしますし、
深夜労働かつ休日労働の場合は、6割以上必要になったりしますが、
休日出勤をした場合、「休日には法定労働時間という概念が存在しない」ため、時間外労働と休日労働を合算した割増賃金の支払いは絶対にあり得ない(つまり、休日労働の3割5分の割増賃金でいい)ということになるので、ご注意ください。

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