建設業の給与計算は、他業種と比べて少し“特殊”です。
「歩合給」「現場手当」「日給月給制」「時間外労働の変動」など、給与構成が複雑なうえに、労務管理の実務も現場任せになりがちです。
私は建設業専門の社会保険労務士・行政書士として、現場の給与計算にまつわる数々の課題を見てきました。
この記事では、**建設業における給与計算の基本と、実務でよくある“落とし穴”**を、簡潔にわかりやすく解説します。
■ 建設業ならではの「給与体系の特徴」
建設業の給与体系には、以下のような特徴があります。
【1】日給月給制が多い
現場で働く職人さんなどは、日単位の勤務実態に応じて「日給月給制」を採用する企業が多いです。
※ただし、本来の日給月給の意味は“月額固定”ではあるものの、「欠勤控除あり」という制度です。
建設業の方がよく使われる「日給月給制」は、「労働日数×1日の賃金=月給」のことだと思います。
【2】現場ごとの手当・歩合がある
現場手当、技能手当、遠方手当、車両手当など、多種多様な手当が上乗せされています。
また、出来高に応じたインセンティブ(出来高払い)や、現場完了時の報奨金制度なども存在します。
【3】残業や休日出勤が不規則
工期や天候によって、残業・休日出勤の有無が月ごとに大きく変わるため、時間外労働等の集計精度が非常に重要です。
■ よくある給与計算の“落とし穴”
◎ 残業単価の誤算出
「基本給(等)÷所定労働時間」で単価を出すところを、固定残業代込みの金額で割ってしまうケースも少なくありません。
これは、労働基準監督署の監督で是正指導されるリスクが高いです。
◎ 締日・支払日の設定が実態に合っていない
例えば、現場が「月末締・翌月末払い」のつもりでも、就業規則が「20日締・月末払い」になっているなど、
給与規定と実態が不一致のままになっている企業もあります。
万一、未払い残業代の請求を受けた際、残業代の算定にも影響する可能性があります。
◎ 休日出勤の割増計算ミス
建設業では、日曜や祝日の作業も少なくありません。
このとき、「法定休日」に該当するか否かで、割増率が1.25倍か1.35倍か変わることを知らない経理担当者も多いのが実情です。
■ 給与計算業務で必要な「3つの整備」
- 勤怠集計のルール整備
現場任せでなく、スマホやタブレットによる勤怠アプリ活用等で精度向上を。
もし、タイムカードを使用するとしても、ルール整備は必要です。 - 賃金台帳と就業規則の整合性チェック
見直していない企業が多いので、就業実態と合っているかを確認。 - 「働き方改革」に基づく残業上限の把握
時間外労働は「原則月45時間・年360時間以内」に制限されています。
繁忙期の36協定特別条項等との整合性も要チェックです。
■ 経営者の方へ伝えたいこと
給与計算は、単なる事務作業ではありません。
それは、社員の生活を守るための“信用の土台”であり、職場の安心感を生む要素でもあります。
建設業界は、若手不足や技術者の高齢化など、人材確保がますます厳しくなっています。
だからこそ、適切な給与計算によって、社員からの信頼を高め、定着率を上げることが非常に重要です。
制度面では「標準労務費」制度など、国も労務費の適正化を後押しし始めています。
これは単なる制度対応ではなく、中小建設業が「賃金の見える化」で自社の信頼力を高めるチャンスでもあります。
■ 最後に(社労士としての立場から)
給与計算は「できているつもり」が一番危険です。
見直しや制度チェック、整合性の確認には、外部の専門家のサポートを入れることでリスクを最小化できます。
※システムを導入している場合であっても、設定の仕方が合っていなければ、全ての計算結果が合っていないという事態にもなりかねません。そういった企業も実はかなり多かったです。
当事務所では、建設業に特化した労務相談・給与計算体制の整備支援を行っております。
実態に即した就業規則の見直しや、勤怠管理ツール導入支援なども含め、企業の規模に合わせてサポート可能です。
お困りごとがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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当事務所について

当事務所は、1級土木施工管理技士所有の行政書士による行政書士業界では珍しい「建設業専門」の行政書士事務所です。また、社会保険を熟知している建設業界に強い社会保険労務士事務所でもあります。
建設業「許可」専門でやっているような書類代行だけやっている先生より、「建設業に携わるのはどのような方で、何故そもそもその人たちが必要なのかといった」工事現場を通して肌感覚で感じた経験のあることで、様々な事例や相談に柔軟に対応できる元市役所職員(技術職)で現場の監督員経験もある行政書士がフットワークよく丁寧に対応させていただきます。
✅ 来所の手間がありません!基本、ご訪問させていただきます。
✅ 当事務所は、オンライン等での対応も可能です。多少の資料等のやり取りはあると思いますが、必要に応じてオンラインで対応させていただくことも可能です。
✅ 「顧問契約を結んでいただけるお客様」については、新規許可及び業種追加の際の報酬は「半額」になります。※問い合わせ多数のため、早めに締め切る可能性がございます。
✅ もちろん、社会保険労務士としての契約だけでも全く問題ございません。建設業界に精通し、業務特化していることから建設業に関する最適なアドバイスをさせていただきます。
✅ 行政書士業務もしていることから、建設業許可関係もまとめて依頼できるので、他事務所と比べてコスパが圧倒的にいいです。
※単純に建設業許可といっても、近年の法改正で社会保険加入が義務化されていたりしています。そのため、社会保険を知らない行政書士が建設業許可申請を行うと、思わぬとばっちりを食らう可能性があります。
また、現場のことを理解していない行政書士が建設業許可の手続きを行うと、後々、業種の追加や公共工事に参入する際等に思わぬ問題が生じる可能性がございます。
⇒当事務所は、上記のとおり現場のことも社会保険のことも熟知しているため、思わぬトラブルを事前に回避することができますので、ご安心ください。
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