国交省/労務費・法定福利費の適正確保へ働き掛け強化/元下と発注者に同時要請(見解付です)

こんばんは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、建設工業新聞の記事の抜粋の解説です。

労務費・法定福利費の適正確保へ働き掛け強化/元下と発注者に同時要請

国土交通省は技能労働者の賃金上昇に向け、標準見積書を活用し労務費と法定福利費を適正に確保するよう働き掛けを強める。元請と下請の両方に関係経費の内訳明示と見積もりの尊重を要請。建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及を見据え、技能者の地位や能力を見積もりに反映するよう促す。地方自治体には請負代金内訳書の法定福利費内訳額の確認を要請し、適切な履行につなげる。民間発注者にも足並みをそろえた対応を求め、建設工事に関わる関係者全体で適正契約の認識を共有する。

元請と下請に関連する建設業団体と都道府県・政令指定都市、主な民間発注者団体に関係通知を1日付で送った(自治体向けは総務省と連名)。

赤羽一嘉前国交相と建設業主要4団体が3月の意見交換会で申し合わせた「おおむね2%以上」の技能者の賃金上昇率の達成を目指し、適正価格で下請契約を結ぶよう促すのが狙い。建設企業への通知内容の実効性を高めるため、公共・民間の発注者にも労務費と法定福利費を適切に見込んだ価格での発注を求める。

下請企業には標準見積書による内訳明示と見積もり提出に努めてもらう。想定人工の積み上げで労務費を算出する方法を推奨。技能者の地位や能力に応じ標準見積書をブラッシュアップできるよう、CCUSのレベル別で労務費内訳を具体的に示すための参考例を付記した。元請企業には内訳明示された見積書の提出を下請に依頼し、見積もりを尊重するよう要請。元請が独自様式を用いる場合も専門工事業団体の標準見積書と整合を取るようにしてもらう。

受注者が発注者に提出する請負代金内訳書で法定福利費を内訳明示させている自治体は、2020年10月時点で都道府県62%、政令市40%、市区町村20%にとどまる。

今回の要請を通じまずは内訳明示を徹底してもらい、その上で内訳額の確認を求める。直轄工事では内訳額が予定価格から算出した概算額の2分の1未満の場合、元請に算定根拠の確認を指示している。自治体でも同じ基準で内訳額を確認し、不正が疑われる場合は建設業許可部局で必要な措置を取ってもらう。

民間発注者には法定福利費が確保されるよう見積もり・入札・契約の際に配慮を求めた。「建設業社会保険推進・処遇改善連絡協議会」を改組し設置予定の「建設キャリアアップシステム処遇改善推進協議会」への協力も要請した。

記事に対する私の見解

私自身、前職で公共工事の発注者をしていたことから、この請負代金内訳書を求めていましたし、内容を拝見したことがあります。

ただ、正直、発注者側の職員がこの請負代金内訳書を見てもおそらく、その法定福利費が本当に妥当かの判断は難しいと思っています。

なぜなら、法定福利費が何なのか、また(なんとなく)知っていても額の算出方法がわかっていないからです。

内訳額が予定価格から算出した概算額の2分の1未満の場合、というのは正直基準が低すぎて、元請等が下請けに法定福利費を適正に払っているという確認にならないと思いますし、何よりそもそも請負代金内訳書がどれくらい詳細な内容で提出してもらっているのかが重要で、相当詳細に記載させない限り、意味があまりなく形骸化するのが目に見えています。

また、民間工事については、元請業者の担当者がしっかりと法定福利費の理解と裏付けとなる知識を有していることがもの凄く大事だと感じます。

建設業法令遵守ガイドライン(下請けガイドライン)でも法定福利費の搾取はダメと記載されています!

建設業法令遵守ガイドラインにも下記のように記載されています。

下請負人は、見積書に法定福利費相当額を明示すべきであり、下請負人の見積書に法定福利費相当額が明示されているにもかかわらず、元請負人がこれを尊重せず、法定福利費相当額を一方的に削減したり、法定福利費相当額を含めない金額で建設工事の請負契約を締結し、その結果「通常必要と認められる原価」に満たない金額となる場合には、当該元請下請間の取引依存度等によっては、建設業法第19条の3の不当に低い請負代金の禁止に違反するおそれがある

そのため、元請業者のコンプライアンスが非常に求められていると私自身は感じています。

私自身も、元公共工事の監督員で、建設業専門の社会保険労務士・行政書士として活動している以上、この法定福利費問題については、本当に根深い問題だと思っていますし、少しでも元請業者から変わっていくような業界になってほしいと思っています。

そうでないと、将来に向けて若い人は当然入ってこないですし、業界としても未来がないと思っています。

適切な保険には入れるようにしてあげることが、労働者にとっては何よりも必要なのだと感じています。

建設業の未来を支えるしっかりとした理念を持った会社を全力でサポートできるようこれからも頑張っていきたいと思います!

当事務所について

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建設業「許可」専門でやっているような書類代行だけやっている先生より、「建設業に携わるのはどのような方で、何故そもそもその人たちが必要なのかといった」工事現場を通して肌感覚で感じた経験のあることで、様々な事例や相談に柔軟に対応できる元市役所職員(技術職)で現場の監督員経験もある行政書士がフットワークよく丁寧に対応させていただきます。

✅ 来所の手間がありません!基本、ご訪問させていただきます。

✅ 当事務所は、オンライン等での対応も可能です。多少の資料等のやり取りはあると思いますが、必要に応じてオンラインで対応させていただくことも可能です。 

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また、現場のことを理解していない行政書士が建設業許可の手続きを行うと、後々、業種の追加や公共工事に参入する際等に思わぬ問題が生じる可能性がございます。
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