建設業許可・経営事項審査の電子申請システム(JCIP)のメリットとデメリットについて

浜田

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、建設業許可・経営事項審査の電子申請システム(JCIP)のメリットとデメリットについて解説したいと思います。

「電子申請」と聞くと、拒否反応を起こす方もいらっしゃるかもしれません(笑)が、最後までお付き合いいただければ幸いです。


そもそも、建設業許可・経営事項審査の電子申請システム(JCIP)とは?

JCIPに関する詳細は、こちらの記事をご確認ください。
⇒記事作成時の令和5年3月18日時点で、国とほとんどの都道府県ですでに運用が始まっています。

概略をお話ししますと、建設業許可や経営事項審査といった申請を、国の電子システムを利用して、国や各都道府県にシステム上で申請ができるもの、ということになります。

建設業許可・経営事項審査の電子申請システム(JCIP)のメリットについて

①電子申請のメリットは、何と言っても事務所から出ずに申請が可能なことでしょう。

事務所から出なくていいことから、これにより、大幅な業務効率の上昇を実現することが可能になります。
⇒ただし、現時点ではこのシステム自体に問題もあるので、それについては後で触れます。

更に、埼玉県では窓口申請の場合、最長で4時間以上待ったこともあるので、それがなくなるのは非常に大きなメリットかもしれません。
(私は、それを想定して、読書等待ち時間にやることを決めているのですが…)

②それ以外のメリットとすると、申請に資格証の原本がいらないことでしょう。

通常、窓口申請ですと、「資格証の原本」が必要になります。
※例えば、1級土木施工管理技士の合格証明書等

資格証によっては携帯しているものもあるため、いつもお客様に極力最短で返却できるようなプランを立てて、申請している所ですが、電子申請ですと、電子でしか申請ができないことから、原本申請が物理的にできないので、写しでOKということになります。

建設業許可・経営事項審査の電子申請システム(JCIP)のデメリットについて

では、デメリットはどんなことがあるでしょうか?

1つ目は、「閲覧」の問題です。

建設業許可については、会社の財務諸表等が公開文書になるため、今までも埼玉県の窓口に行けば、他の会社の財務諸表等が閲覧することが可能です。
⇒その会社の財務状況が実はわかってしまうのです…。

しかし、窓口に行く必要があるため、心理的なハードルがありました。

これが、電子申請を行うと、電子上で財務諸表等を閲覧することができるため、誰でも財務諸表等を見れてしまうことになります。

そのため、財務諸表等を気軽に見られたくない方は、現時点では窓口で申請されるのが無難です。

あとは、JCIPのシステム上で色々な問題点があります。

例えば、添付書類欄に「任意」と記載されているのにもかかわらず、添付をしないと先に進めない仕様になっていたり、財務諸表の自動計算機能がなかったりと、私たち専門家であっても戸惑うような仕様になっているのが現状です。

そのため、普段パソコンを使い慣れていない人にはかなり難しく感じる可能性があります。

そして、現時点での最大のデメリットは委任設定がめちゃくちゃ面倒くさいところです。先ほどの閲覧も大きなデメリットですが、こちらはそもそも申請ができるかどうかにかかわってくるレベルのお話です。
⇒紙の委任状ですと、行政書士が用意したひな型に署名・押印等するだけで済んだものが、お客様側で設定・操作していただく手間が大幅に増えます。
⇒そのため、これをめんどうと感じられる方も少なからずいらっしゃるかなぁ…というのが、私の所感です。
※本人(自社)申請される場合は、委任は関係ない話になります。

※これらのお話しについては、下記の撮影した動画にて解説しております。また、弊所ではYouTubeチャンネルを運営しておりますので、そちらで最新の動画をチェックいただくのもいいかと思います。



まとめ

いかがだったでしょうか?

建設業関連の電子申請化はすでに進んでいますが、まだまだ運用上問題があるのが現状です。

まだまだ、書面申請がメジャーではありますので、自社に合ったやり方で進めていけばいいと思います。

※当事務所では、いま現在、窓口申請で対応しておりますが、電子申請をご希望の方は、ご依頼の際にその旨おっしゃってください。

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建設業「許可」専門でやっているような書類代行だけやっている先生より、「建設業に携わるのはどのような方で、何故そもそもその人たちが必要なのかといった」工事現場を通して肌感覚で感じた経験のあることで、様々な事例や相談に柔軟に対応できる元市役所職員(技術職)で現場の監督員経験もある行政書士がフットワークよく丁寧に対応させていただきます。

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※単純に建設業許可といっても、近年の法改正で社会保険加入が義務化されていたりしています。そのため、社会保険を知らない行政書士が建設業許可申請を行うと、思わぬとばっちりを食らう可能性があります
また、現場のことを理解していない行政書士が建設業許可の手続きを行うと、後々、業種の追加や公共工事に参入する際等に思わぬ問題が生じる可能性がございます。
⇒当事務所は、上記のとおり現場のことも社会保険のことも熟知しているため、思わぬトラブルを事前に回避することができますので、ご安心ください。

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